木材を使った住まいは、健康に優しいと言われることが多いが、それは木材は天然素材であり、木の持つ色合い・香り・風合い・感触など人々の暮らしになじみがよく、木の持つ様々な特性と相まって、心地よく快適に暮らせるということが要因となっている。
健康に優しいということを別の視点で考えると、物理的な優しさと、精神的な優しさをもっている。物理的な優しさには、湿度のコントロールがある。木材の組織内にはたくさんの空洞があり、その空洞に空気中の浮遊している余分な湿気(水分)を取り込み、ほど良い湿気を保っている。
また、空気中に湿気(水分)が不足してくると、木材の空洞に取り込まれた水分が放出され、空気中の酸素をほど良くコントロールしてくれ、室内を快適空間としてくれる。特に、室内の内装材に天然素材の無垢板を使った時に調湿効果を体験できるのは、梅雨時で、快適に爽やかにすごせるということである。
次の精神的な優しさとして、杉や檜の板を室内に張ることで、落ち着きや優しさがえられる。木の持つ色合いや香り、質感によるところが大きく、感覚的なものである。
また、木の持つ快適性はそれぞれ人の感覚によるところが大きいが、一つの事例を示してみたい。床材を決定するために、無垢材とフローリングどちらかにするということで、床に無垢の板(青森ヒバ、杉板)を張ったものと、一般にフローリングといわれている合板の上に薄い板を張りつけ塗装をかけた床材を裸足で歩いて、その違いを体験してもらったとき、無垢の板はフローリングのような冷たさはなく、肌触り・温もりなど無垢の板ならではの質感が感じられ、無垢材が選ばれることが多い。
「青森ヒバ」は「木曽檜」「秋田杉」とならんで日本の3大美林の一つで、主に青森に生育している。青森ヒバには、ヒノキチオールという成分が含有されているため、抗菌作用があり、ダニやシロアリを寄せ付けないので土台や床材に使用される。
木材を室内の床・壁・天井などに表して使うときに、一般的には汚れを防ぐために塗装をかけることが多い。しかし、天然素材の木を使って健康な暮らしをしたいというためには、塗装をかけないか、塗装の塗料を天然素材のものを使うことで、化学物質過敏症などアレルギーを遠ざけることができる(日本では古来より柿渋塗りや、拭き漆塗りなどが使われてきた)。
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